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今宵の紅い月に照らされて…
妖艶なる傀儡が淫らに微笑えむ。

「フェイトの全てはご主人様のものです…
 身も心も…完全にご主人様の色に染めて下さい…」


抑揚のない、夢心地な声音で囁くと…
うっとりとした表情で、何の疑いもなく私の手を引き入れる。

そっと、その髪に手を伸ばしリボンを紐解くと
結われた髪が解け、美しいブロンドヘアーが広がった。
恍惚とした表情でそれを受け入れるフェイト。


過去、そして執務官としての誇りと義務。
全てから彼女は解放された。
もう下らない既存の常識など存在しない。


あるのはシモベとしての、私への絶対の忠誠心のみだ。



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