route A page 7/8
|
7 今宵の紅い月に照らされて… 妖艶なる傀儡が淫らに微笑えむ。 「フェイトの全てはご主人様のものです… 身も心も…完全にご主人様の色に染めて下さい…」 抑揚のない、夢心地な声音で囁くと… うっとりとした表情で、何の疑いもなく私の手を引き入れる。 そっと、その髪に手を伸ばしリボンを紐解くと 結われた髪が解け、美しいブロンドヘアーが広がった。 恍惚とした表情でそれを受け入れるフェイト。 過去、そして執務官としての誇りと義務。 全てから彼女は解放された。 もう下らない既存の常識など存在しない。 あるのはシモベとしての、私への絶対の忠誠心のみだ。 ■次へ■ |