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私が再び指を鳴らすと、彼女の目から輝きが失われた。
心が静止した証となる虚ろな瞳。
その瞳に語りかける。
「君のように鍛え抜かれた一流のプロに痛みは通用しない。
 人間はね、痛みには意外と耐えられるものなんだよ。しかし…」

「…!?はぁぁん、んん…、んはぁ……」

フェイトの体を強烈な性的快楽が走り抜ける。
既に先のトランス状態の時点で洗脳は80%完成していた。
私の言葉が全て、性感帯を刺激する愛撫のように感じる状態まで
暗示は進んでいたのだ。

『その感覚は生物の原初たる感覚。これに耐えられる者はない』
「んぁぁ!はぁぁ…、はぁん、あぁぁぁっ……」
『いや、耐えなくてもいい、そのまま身を任せればいい』
「はぁぁ、はぁぁ、はぁぁ、あふぅ……」
『そう、君はこの感覚がたまらない、そうだろう?』
「……あふぁ、あへぁ、た…、たまら…ない…」
『3つ数えると更に深い白に堕ちる、3…、2…、1…、0』
「……あ…、あ、あ…………」


自然とフェイトの目が上に向かっていく。
トランス状態が最高潮に達しつつあるのだ。
本来、自分の意思で目を上に向けるというのは負担がかかる。
しかし、このトランス状態の時は白目をむくのも
たまらなく気持ちよく感じるのだ。

誰かに操られる自分。
誰かに支配される自分。
誰かのおもちゃにされる自分。

もはやフェイトは操られる悦楽から逃れる事は出来ない。
上を向く焦点とは裏腹に、心はどこまでも堕ちていくのだ。



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