route A page 3/8
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3 私が再び指を鳴らすと、彼女の目から輝きが失われた。 心が静止した証となる虚ろな瞳。 その瞳に語りかける。 「君のように鍛え抜かれた一流のプロに痛みは通用しない。 人間はね、痛みには意外と耐えられるものなんだよ。しかし…」 「…!?はぁぁん、んん…、んはぁ……」 フェイトの体を強烈な性的快楽が走り抜ける。 既に先のトランス状態の時点で洗脳は80%完成していた。 私の言葉が全て、性感帯を刺激する愛撫のように感じる状態まで 暗示は進んでいたのだ。 『その感覚は生物の原初たる感覚。これに耐えられる者はない』 「んぁぁ!はぁぁ…、はぁん、あぁぁぁっ……」 『いや、耐えなくてもいい、そのまま身を任せればいい』 「はぁぁ、はぁぁ、はぁぁ、あふぅ……」 『そう、君はこの感覚がたまらない、そうだろう?』 「……あふぁ、あへぁ、た…、たまら…ない…」 『3つ数えると更に深い白に堕ちる、3…、2…、1…、0』 「……あ…、あ、あ…………」 自然とフェイトの目が上に向かっていく。 トランス状態が最高潮に達しつつあるのだ。 本来、自分の意思で目を上に向けるというのは負担がかかる。 しかし、このトランス状態の時は白目をむくのも たまらなく気持ちよく感じるのだ。 誰かに操られる自分。 誰かに支配される自分。 誰かのおもちゃにされる自分。 もはやフェイトは操られる悦楽から逃れる事は出来ない。 上を向く焦点とは裏腹に、心はどこまでも堕ちていくのだ。 ■次へ■ |