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私が指を鳴らすと、彼女の瞳に正気の色が戻る。
「……あれ、私は?…これは!?」
「お目覚めかな、フェイト執務官」
「!!貴方は!……くっ、体が動かない?」
「今、君の体の主導権は私にある。
 そして、次は心の主導権も頂こう」
「そうはさせない!私は貴方に屈しない!」
私は笑いを堪えて、彼女を見やった。

心と体の乖離の様相は何時見ても面白い。
ゆえに私は必ず獲物を一度は正気に戻して楽しむのだ。
さて、自らがどんな姿で執務官様な発言をしたのか、
彼女自身に見せてやるとしよう。


「命令だ。フェイト、そこにある鏡の前に立て」
「……くっ、体が勝手に……」

私が命令すると、彼女はよろめくように
部屋の片隅にある大鏡の前に進んでいく。
そして、鏡の前でピタリと静止。
ゆっくりと股を開き、再び先ほどのポーズで自らを固定させる。

そこに映る痴態。
フェイトは顔を真っ赤にして目を見開いている。

「!?あ…、う、うそ…」
「自分の姿をよく見るがいい、そんな姿で凄んでも滑稽なだけだ」
「い、いやぁぁぁ!、私…、
 こんな恥ずかしい格好をさせられて…」

驚きと恥ずかしさに顔を歪めるフェイト。
だが、私は鼻でそれを笑った。
「君が見せてくれた真ソニックフォームとやらも大概だがね。
 私は君に痴女の素質があると思っていたくらいだ。
 やはり、その姿も似合っているよ」
「……貴方、最低だわ」
「お褒めにあずかり光栄だよ。
 さぁて、今までの自分との別れの挨拶は済んだかな?
 君の姿は私の色に染まった。次は…」
「(目を…逸らせない?どうして……)

「心を頂こう」



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