route A page 2/8
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2 私が指を鳴らすと、彼女の瞳に正気の色が戻る。 「……あれ、私は?…これは!?」 「お目覚めかな、フェイト執務官」 「!!貴方は!……くっ、体が動かない?」 「今、君の体の主導権は私にある。 そして、次は心の主導権も頂こう」 「そうはさせない!私は貴方に屈しない!」 私は笑いを堪えて、彼女を見やった。 心と体の乖離の様相は何時見ても面白い。 ゆえに私は必ず獲物を一度は正気に戻して楽しむのだ。 さて、自らがどんな姿で執務官様な発言をしたのか、 彼女自身に見せてやるとしよう。 「命令だ。フェイト、そこにある鏡の前に立て」 「……くっ、体が勝手に……」 私が命令すると、彼女はよろめくように 部屋の片隅にある大鏡の前に進んでいく。 そして、鏡の前でピタリと静止。 ゆっくりと股を開き、再び先ほどのポーズで自らを固定させる。 そこに映る痴態。 フェイトは顔を真っ赤にして目を見開いている。 「!?あ…、う、うそ…」 「自分の姿をよく見るがいい、そんな姿で凄んでも滑稽なだけだ」 「い、いやぁぁぁ!、私…、 こんな恥ずかしい格好をさせられて…」 驚きと恥ずかしさに顔を歪めるフェイト。 だが、私は鼻でそれを笑った。 「君が見せてくれた真ソニックフォームとやらも大概だがね。 私は君に痴女の素質があると思っていたくらいだ。 やはり、その姿も似合っているよ」 「……貴方、最低だわ」 「お褒めにあずかり光栄だよ。 さぁて、今までの自分との別れの挨拶は済んだかな? 君の姿は私の色に染まった。次は…」 「(目を…逸らせない?どうして……)」 「心を頂こう」 ■次へ■ |