1 牝 「めす」

血の色のように紅い月の光が、窓から差し込み
廃施設の一室を薄暗く照らし出す。

『彼』は古びたソファーに座り、忠実なる左腕からの報告を受けていた。

『儀式遂行の妨げとなる存在の排除、完遂致しました』
『あぁ、なのは、ご苦労だったね。
 しかし、君の強さには本当に敬意を表するよ。
 彼女達とて、戦闘力はかなりのものだったろうに…』

『ご主人様より賜りし、この魔力をもってすれば、造作もない事です』


なのはは直立不動で『彼』に任務完了を報告する。
その服装は淫靡な黒のボンデージ風装飾、そして黒のスリングショット水着。
虚ろな瞳に光は宿っていないが、青紫のルージュに彩られた口元には
妖しい笑みが浮んでいた。

誰もその堕ちた姿を見て、この女性があのエース・オブ・エース…
高町なのはだとは思わないだろう。

『フェイトが万能なる右腕ならば、
 なのは、君は全てを屠る最強の左腕といったところか…』

『我が盟友と共に全力全開でお仕え致します。ところで…』


なのはが艶っぽい眼差しを『彼』に向ける。
本来の彼女ならば絶対に見せないであろう『女』の表情だ。

『より早く任務をこなした方に、ご主人様から褒美を頂けると…』
『あぁ、フェイトも今、君と同じ任務をこなしているが
 君より少し手間取っているようだ。この勝負は君の勝ちだな』

『では……』
『良いだろう、さぁ褒美をやろう』
『はい……』


夢心地な返事と共に…
彼女はゆっくりと『彼』の座るソファーへと近づいていく。
そして…

『失礼します…』

その一言と共にソファーの上に登ると、淫らに股を開きながら中腰になる。
丁度『彼』の眼前に、なのはの下腹部がくるような位置関係。

『彼』がそのしなやかな尻肉を抱き寄せると、
なのはは陰部に架かるスリングショットをクイッとずらし、局部を露にする。
そこには愛液に濡れそぼったヴァギナ、硬く勃起したクリトリス、
そして淫らな陰毛が深く茂っていた。

『私の言いつけどおり、ここは処理をしていないみたいだね』
『はい、なのはの大切なところもご主人様の物ですから…』


彼女の一人称が『なのは』に変わった。
それは甘えてくる時の彼女の特徴であり、
闇に染まってから顕著に表れるようになったモノでもある。
管理局の英雄としての責任感から解放され、
奴隷デバイスと化した今の彼女は蕩ける様に甘えるのだ。

そして、なのはは本来、陰部の毛は剃って処理をしていたのだが、
シモベとして堕ちた今、『彼』に言われるままに陰毛を伸ばすようになっていた。
それはフェイトも同じで、綺麗に処理されていたはずのフェイトの陰部にも
今や淫乱にフェロモンを醸し出す、暗い黄金色の痴毛が茂っている。


全てはありのままに。
本能を知性、理性で律する必要などない。


故に髪を束ねる必要もない。

彼がパチンっと指をならすと、なのはのサイドポニーテールが解けた。
濃いブラウンの美しい髪がストッ…と落ち、ロングヘアーに変化する。
それを邪な色を湛える恍惚な笑みを浮べ、彼女は受け入れる。


なのはが染められていく。
『彼』の所有物として染められていく。


『さぁ、褒美だ。自分で入れたまえ』
『はい…、ありがとうございます、ご主人様……』


そのまま、なのははゆっくりと腰を下ろしていく。
淫らに股を開いたまま、その下には『彼』の上を向いた硬い剛直。
クチュゥゥ………
なのはのヴァギナが『彼』のペニスを飲み込んでいく。
そして、奥までしっかりと飲み込むと、
そのまま『彼』の頭を抱きしめ、体を預け……
腰を上下させて挿入の感覚を楽しみ始めた。

『あぁっ!あぁぁぁん!あぁ、硬いぃぃ……』
『いいぞ、なのは!もっと楽しむがいい。この淫らな褒美を!』

対面騎乗位の体勢を維持したまま、
なのはの腰の上下運動は一定のリズムで繰り返される。
ズチュゥッ…!ズチュゥッ…!ズチュゥッ…!ズチュゥッ…!……
少しゆっくりとした…、焦らすようなリズム。
なのは自身がまるで、淫靡さを奏でる楽器になってしまったかのようだ。

そう、今のなのはは楽器。
『彼』が奏でる淫乱な協奏曲を奏でる道具なのだ。

『あぁん!あぁん!あぁん!あぁん!……』
『なのは、君の膣内も良い具合だ!これは名器だな……』
『あぁっ!ありが…とう、ございま…す…、あぁんっ!』


膣内の肉ヒダで愛しい主のモノを包み込みながら、
硬い肉棒の感覚に酔いしれる。
子宮の入り口を何度も何度もノックされ……
なのはは女の喜びに打ち震えるのだ。

そして、それは女の『本能』に変化していく。

『んっ……、切ない…、胸がキュンとする……、
 それに中が疼いて堪らない……、この感覚は何?』
『それは君が女の本能に目覚めた証だ。
 いやメスの本能と言った方が正確かな?』

『メス……、なのは…は、……メス……』
『そう、そしてメスが求めるのは…己の子を成す事だ。
 君は欲しいのだよ。君の血を分けた可愛らしい赤ちゃんがね』

『あぁっ…、ほしい……、赤ちゃん、欲しい!!ヴィヴィオみたいに可愛い…
 あかちゃん、ご主人様のあかちゃん、欲しい!!』


その思いすらも、実は『彼』に刷り込まれたモノ。
しかし、その感情はジンワリと甘い痺れとなり、
なのはの美乳に甘い悦楽を溜め始める。
男性が感じる射精前の下腹部の喜びにも似たソレは、
急激に膨れ上がり…
一気に彼女の乳腺を駆け上がった。

『あぁんっ!でる…、おっぱい、でちゃぅぅっ!!あはぁぁぁっっ!』

ビュルゥゥゥゥ!ビュルゥゥゥゥ!

なのはの両側の乳首から、母乳が勢いよく飛び出した。
乳白色の甘いミルク、『彼』は淫らな奴隷デバイスの乳首を咥え、その味を堪能する。

『うむ、良い味だな。なのは、君達にはいずれ私の子を産んでもらおう。
 体の候補はいくつでもあった方がよいからな』


『彼』はそういいながらも、母乳の噴出で動きが緩慢になった
なのはを下から突き上げる。

『あぁぁっ!はぁっ!はぁぁっ!あはぁぁっ!』
『愛しいぞ、なのは。私の可愛い、淫らなシモベ』
『あぁぁん!はいぃ!ご主人様ぁ、ご主人さまぁ………!』


そのまま、なのはは体を後ろ側に傾け、左手で体重を支えつつ、
腰の動きを上下運動から、前後運動へと変える。
ズチュゥッ!ズチュゥッ!ズチュゥッ!ズチュゥッ!……
お互いの連結部分を何度も交差させつつも、
リズムにのって揺れる美乳を見せるように、胸を少し後ろに反らす。
すると、『彼』の右手が乳房をつかみ、イヤらしく揉み始める。
全身でお互いを貪りあうように、連結はリズミカルに続けられていく。

どんなに絶頂を迎え脱力しても、なのはの体は『彼』の求めどおりに動く。
奴隷デバイス、正に『彼』の道具としてのみ存在する今の自分。
彼女の心を偉大なるお方に仕えられるという喜びが多幸感となって
脳を真っ白く染め上げていく。

『さぁ、なのは。そろそろ、だしてやろう』
『あぁぁん!!ごしゅじんさまぁ…、だして…、だしてください!
 あかちゃん…の…たね…、んはぁ、ごしゅじんさまのあかちゃん……くださいぃ!!』
『フフッ…………』

どぴゅぅぅぅっ!どゅぅぅぅっ!どぴゅぅぅっ!びゅくぅぅぅっ!

『あはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!』

……『彼』の白濁がなのはを染め上げる。
その美しくも淫らな体が、ドロドロとした精液で彩られていく。
英雄として賞賛の眼差しで見つめられていた頃よりも、今の彼女は輝いていた。
しかし……

『……、あはぁ…、はぁ…、ご、ご主人様、どうして?』

膣外射精…、あんなに主の子供が欲しいと願ったシモベに対して
それは残酷な仕打ちのようにも思えた。しかし、『彼』が口を開く。

『…この男のDNA如きで、新たな体の候補を作る気はない。
 やはり、私には八神はやての体が必要だ。
 なのは、君のその素晴らしいDNAと、
 八神はやてのDNAを組み合わせた子供はどんな優秀な体なのだろうね?』

『フフッ…、そういうことでしたか、ご主人様。
 ならば、早く八神はやてをご主人様の物に……』
『あぁ、最終作戦の決行は、フェイトが戻り次第始める。
 君にも期待をしているよ、私の優秀な『左腕』よ』


『はい!お任せ下さい。…全てはご主人様の為に』



完全に染められて、真の意味で『彼』の左腕となったなのは。
不屈のエース・オブ・エースはもうこの世に存在しない。
漆黒のシモベ、高町なのはの姿がそこにあるのみだ。


そして、数刻をおいてフェイトも合流。
ここに『聖戦』が開始される事となる。


■ 次のページへ ■  ■ 戻る ■ ■ INDEX ■