■7
『プリマヴェーラ、あなたの手を御覧なさい。
これがあれば、前よりもっと凄いモノを召喚できるわよ〜。
それに、衣装も今のあなたに相応しいものになっているわ』
少女が緩慢な動きで手元に視線を送ると、そこには
かつてケリュケイオン『だった』ものが、紫色の邪悪な光を湛えている。
『深淵の邪黒龍を呼ぶと言われ、封印されていたロストロギアを元に
魔力情報を組みかえておいたわ。さぁ、その不完全なセットアップを
自らの意思で完成させるのよ!』
『はい、クアットロ様…』
崇拝し、心酔しきった表情そのままに、クアットロの指示に従って
かつてキャロと呼ばれていた少女は、嬉々としてセットアップを行う。
それが、今までの自分に止めを刺す行為であることにも気づかずに…
『カドゥケイオス・セットアップ…』
するとたちまちに漆黒の魔力光がキャロを包み込んだ。 |