射精後の心地よい脱力感が全身を包み込む。
我は倦怠感を感じつつも声を出してみた。
この身に感じる予感を確信に変える為に。

『なんと気持ちの良い…、体が喜びに打ち降るえておる』
(なんて気持ちのいい…、体が喜びに打ち降るえてる)


ふははっ!やはりな。
もはや萃香の意思は我と完全に同化した。
心の奥から聞こえる少女の声は我と同じ意思の形をなぞっている。

『この体、素晴らしいぞ!これが伊吹萃香、鬼の体か!』
(この体、素晴らしい! これが伊吹萃香、鬼の体!)


もはや自分が伊吹萃香であった事も忘れたか。
萃香は自分を我であったと思い込んでいるようだ。

我はニヤリと笑った。
白濁に染まる体をゆっくり起き上がらせて。
萃香の声帯を通して、我の意思が発せられる。

(我は新たな体を得た!
  この力、この妖力、全ては我の物だ!
  さぁ、これより京の闇を深淵の黒に染めてくれるわ!)


我は酒を呷る。
美酒が少女の喉を通して、五臓六腑に染み渡る。
心地良い、何とも心地よい少女の体、我の新しい体。

今宵は祝い、飲み明かそうぞ!
我という新たなる鬼の誕生を祝して。


   




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